こんにちは、佐々木です。
「粋でいなせな…」という言葉を久しく聞いていない気がします(笑)
上記台詞は江戸っ子・下町を表現する際によく使われているように思います。
何が「粋」で何が「いなせ」かは詳しくわかりませんが、
確かにそんな人物もあまり見かけなくなった様にも思えます。
昔、とある倉庫で仕分け作業をしておりました時。
そこは物流拠点で、主にスーパーへの出荷をしている巨大な倉庫でした。
その中には何百メートルもあるベルトコンベアーが数本あり、
そこから更に枝分かれしたシュートと呼ばれる滑り台のようなローラーがありました。
ベルトコンベアーはだいたい3階くらいの位置にあり、そこから地上までシュートでつながっております。
コンテナなどで入ってきた商品が、それぞれの地域のスーパー毎に分かれる仕組みです。
受け持つシュートは日によって変わる事があります。
派遣社員だった私がたまたま割り振られた場所は、普段ベテラン社員さんが受け持っていた所。
急遽お休みになった為、割り当てられたようです。
ひとり3本のシュートを受け持つのですが、私の受け持ちが「新宿・渋谷・目黒」。
初日で最も量の多いベスト2までを抱える事となりました。
(1位新宿、2位渋谷、3位池袋、というのを後になって知りました。)
ちなみに。
シュートは上(引きこむ頂上)まで溜まると、安全の為、強制停止します。
つまり本流であるコンベアーも止まります。
一度コンベアーが止まると全体の作業も止まるうえ、実質損害扱いにもなりかねません。
シュートから降りてくる荷物も様々、重い物から小さな割れ物まで。
それらを仕分けてカゴ台車に積んでゆくのですが、
ものの数分で何台も準備した台車は満載になってしまいます。
次の空台車と入れ替えをしている間も、荷物は容赦なく下りてきます。
しかも台車に積む順序を間違うと、下の商品を押し潰すことになります。
が、悠長に考えてなどいられません。
必死に荷物を捌いても、あっという間に滑り台は3本とも埋まってゆきます。
…が。
私、コンベアーを止める事態にはなりませんでした。
実はすぐ近くで作業をしていた男性(おじさん)が、
私の気付かない所で手伝って下さってたのです!
そのおじさんの受け持ちだって決して楽ではありません。
(後で知りました。)
しかもコンベアーを止めないため、というよりも、
どうやら私に次に来るのはこういう商品、次はどうしたらいいか、
わかるような配置で積んでくれてる様です。
「どうしても台車交換が間に合わない!」
と思ったら、既に何台も空台車が控えています。
確かに忙しかったですし、それでも決して楽ではなかったのですが、
口で説明される何倍も早く流れやタイミングがつかめました。
帰りがけにおじさんを探して、追いかけてお礼を伝えましたところ。
おじさん「それは気にしなくていいから、早くひとりで出来るように頑張れ。」
見た目は疲れきったパッと見冴えないおじさん(失礼)でしたが、
その後姿の格好良い事、カッコイイ事!(笑)
粋な人だなぁ、と感じました。
我々ベンリースタッフ一同も、「粋だなぁ!」と言ってもらえる作業を心がけます。
2018年